バリアフリーを意識した快適な住まいづくり
2023年02月23日
お役立ち情報・コラム
「バリアフリー」という言葉をご存知でしょうか? これは、ご高齢者や障がい者の方をはじめ、妊婦さんやケガをしている方などに対し、生活する上での利便性や安全性を考えていくことです。 このバリアフリーという考え方は近年身近に浸透してきており、「高齢者の介護のため」「障がいがある人のため」というイメージだけでなく、ご家族の将来的なことを考えて検討されるケースが増えています。 そこで今回はバリアフリーを意識した意識した住まいについて解説していきます。
バリアフリーのポイント
段差を極力なくす
段差について考えることは、バリアフリーの第一歩です。
段差があることでつまづきやすくなったり、車椅子が通りにくいといった弊害が生じてきます。
大きな段差はもちろん、小さな段差ほど目視しにくくなるので、可能な限りフラットな空間づくりを心掛けます。
どうしても段差をなくせないケースは、市販の段差解消用部材を設置したり、段差のある箇所に色付きのテープを貼るといった方法があります。
また、足元を照らすフットランプも設置するのも効果的です。
転倒の予防を考える
足腰が弱ってきた高齢者がいる家庭や、小さなお子様が走り回ったりする家庭では、段差がなくても思わぬところで転倒してしまう場合があります。
そのような転倒を防ぐために効果的なの方法のひとつとして、手すりの設置があります。
例えば、玄関、トイレ、浴室、廊下、階段など、転倒の恐れがある場所には、可能な限り手すりを設置し、万が一の際の予防策となるよう、工夫しましょう。
温度差をなくす
「ヒートショック」という言葉をご存知ですか?
これは、大きな気温の変化によって急激に血圧が上下し、心臓や血管の疾患につながることを意味します。
最悪の場合、命の危険につながることもあるこのヒートショックを防ぐために、建物内の温度差には細心の注意を払っていきたいものです。
冷暖房設備や換気設備を適切に配置する、気密性・断熱性の高い家を選ぶなど、温度差がストレスにならない家づくりを進めていきましょう。
家の温度差が激しいと、結露やカビ、ダニの発生原因にもなりますからね。
具体的なバリアフリーの方法
バリアフリー住宅はただ手すりを付ければ良い、ただ段差をなくせば良い、とは限りません。
間取りや部屋ごとの対策によって、細かく取り組んでいく必要があります。
下記はその代表的な方法になりますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
トイレの配置と広さにこだわる
高齢者だけではなく、お子様や妊婦さん、ご病気の方などにとっても、寝室の近くにトイレがあると住みやすさが変わってきます。
夜間にトイレにいく頻度だったり、暗い中での移動距離が長くなることのリスクについて考えていきましょう。
トイレの広さも大切です。
車椅子でも入れるほどの余裕あるスペースを確保できれば、将来的にも使いやすいトイレになりますね。
手すりを付けたり、ヒートショック予防の暖房設備が備わっているとなお良いでしょう。
滑りにくい床材を採用する
転倒による事故を防ぐため、廊下や階段、浴室といった転倒の恐れのある場所には滑りにくい床材の採用をおすすめします。
特に、浴室や洗面室などは転倒しやすい場所ですので、濡れても滑りにくい高性能の床材が良いですね。
また、車椅子でも傷が付きにくい素材だったり、転倒しても衝撃をやわらげてくれる素材だったりと、シーンに合わせた床材も出ています。
階段は緩やかな段差を意識する
階段というのはどうしても危険がつきものです。
バリアフリーを考えるのであれば、できるだけ段差を低くしたり、踏み台スペースを広く確保するといった対策が必要です。
形状としては、直線的なものよりも、U字型の形状の方が段差を緩やかにしやすく、途中で休憩できる工夫などを盛り込みやすくなりますよ。
また、U字型であれば、万が一転倒や落下した際にも被害を最小限に抑えられます。
出入口や廊下は広く設ける
玄関や各部屋のドア、廊下や水回りの空間などは、余裕のある広さを確保しておくのが理想的です。
特に、車椅子生活や高齢者介護のことを考えると、ドアの開口や廊下の広さは、最低でも大人2人が同時に通り抜けられるくらいにしておきたいものです。
また、ドアの形状はスライド式にするのがおすすめ!開口部を広くしやすくなりますよ。
玄関にはスロープを
家の内と外をつなぐ玄関部分には、スロープを取り付けましょう。
スロープがあることで、足腰の弱い高齢者や車椅子、ケガをした方の出入りがとてもスムーズになります。
また、玄関の段差を極力なくすことで、遊び盛りのお子様や妊婦さんにとっても安心ですよ。 玄関から室内にあがる際の段差もできるだけ最小限にし、踏み台や手すりを設置するという工夫もおすすめしたいところです。
高さ調整ができる水まわり
キッチンや洗面台などの水まわり設備は、高さ調整のできるタイプを採用するとバリアフリー効果が上がります。
高さ調整のおかげで座ったままでも作業ができるようになるので、家事の快適性が変わります。
また、小さなお子様がお手伝いしやすくなったり、身長差のあるご夫妻が交互にキッチンに立つ場合にもとても便利です。
オール電化の検討
小さなお子様や高齢者のいる家庭では、どうしても火の不始末による火災の懸念が高くなります。
このように火災の不安を排除することも、バリアフリーの大切な考え方です。
オール電化住宅であれば、調理、空調、電気、給湯などのすべてを電気でまかなえるため、火災の原因となる火を使う必要がなくなります。
将来を見据えて、より安心・安全な家を求めるのであれば、オール電化という選択肢もひとつですね。
住まいにバリアフリーを取り入れる事は、ご高齢者の方のためだけの話とは限りません。
将来のこと、そして、子どもや孫の代のことまで考えた「誰であっても使いやすい住まい」のことを指します。
上手に取り入れて世代を超えて快適に暮らせる住まいづくりにつながるといいですね。
この記事の筆者
住まいる工務店
「住まいる工務店」は、業界歴15年、住宅リフォーム工事を中心とした各種内外装リフォーム全般(塗装工事/外壁工事/屋根工事/水廻り改修/室内リフォーム/設備機器交換/エクステリア/不用品処分/他)を行っております。親切丁寧をモットーに、小さな修理から大規模な改修まで、住まいに関するお悩みに寄り添います。快適な暮らしを支える住環境のパートナーとして、末長くお付き合いさせていただけたらと思います。従業員一同、感謝の気持ちを胸に、日々の業務に取り組んでいます。
保有資格:1級建築施工管理技士/1級塗装技能士/リフォームスタイリスト/雨漏れ診断士