全面リフォームを成功させるには
2023年06月06日
お役立ち情報・コラム
本記事では、
- 全面リフォームをする際の基準
- 全面リフォームする場所の費用
- リフォームの成功事例
などについて解説します。全面リフォームの実施を検討している人は、参考にしてみてください。
全面リフォームをする基準
全面リフォームをする場合、
- 予算
- 優先度
の、ふたつの基準があります。予算はともかく、「優先度」とはどういった事でしょうか。
下記ではそれぞれについて解説していきますので、参考にしてください。
予算で決める
全面リフォームする場合、まずは予算が大切です。
全面リフォームといえども、何もかもリフォームしなければいけないわけではありません。
現実的な予算を組み、そのうえで何をリフォームするか考えましょう。
優先度で決める
もう一度大切なのは、優先度です。つまり、「どこからリフォームしたいか?」ということですね。
全面リフォームといっても、何から何までリフォームするのは、費用面から考えても難しい部分があります。
よって、リフォームしたい場所に優先度をつけながら、全面リフォームを計画していきましょう。
戸建てでリフォームする場合の費用
築年数 | おすすめ全面リフォームの内容 | 費用 |
---|---|---|
築20年 | 水回り設備の交換、クロス・床張替え、屋根・外壁塗装 | 500万円前後 |
築30年 | 内装のみスケルトンリフォ―ム、屋根・外壁塗装 | 1000万円前後 |
築40年 | 内装・外装ともにスケルトンリフォーム | 1500万円前後 |
※建坪25坪(83㎡)の前提
※税別
予算と優先度が大切だといっても、実際に全面リフォームをするとどれくらいの費用がかかるのか、ピンとこない人も多いでしょう。下記では、戸建てで全面リフォームする場合の費用について、詳しく解説します。
キッチンのリフォーム費用
キッチンのリフォーム費用としては、50万円から160万円程度が必要となります。
費用は、キッチンの形やグレードによってさまざまです。
デザインや機能性をどこまで求め、予算はいくらかけるのか、しっかり考えておきましょう。
トイレのリフォーム費用
全面リフォームにおけるトイレのリフォーム費用としては、18万円から33万円くらい必要でしょう。
全面リフォームの中では、比較的安い部類に入ります。
便座を交換する程度であれば、2万円から3万円ほどで実施できることも。
お風呂のリフォーム費用
全面リフォームの場合、お風呂はたいてい対象となるでしょう。
費用としては、56万円から127万円程度が必要となります。
費用は、グレードやサイズによってさまざまです。
玄関のリフォーム費用
玄関のリフォーム費用については、おおむね50万円から100万円程度の費用が必要でしょう。
費用は、ドアの材質や工法、面積や壁素材によって変動します。
たとえばアルミ製ドアを取り付けるなら20万円程度、強風・断熱性能のある素材なら45万円程度となるでしょう。
意外と費用の変動幅が大きいので、じっくりと考える必要があります。
リビングのリフォーム費用
いずれのリフォームでも、たいへん重要視されるリビングですが、全面リフォームにおけるリビングの費用としては、フローリングとクロスの張り替えのみであれば30~50万円、隣の部屋の壁を撤去し引き戸も設置すれば50~80万円ほどかかります。
部屋のリフォーム費用
部屋ごとのリフォーム費用については、おおむね15万円から100万円程度の費用がかかるでしょう。
畳やフローリングの張り替えなら、さほど費用はかかりません。
しかし、和室から洋室のような大規模な全面リフォームでは、やはり100万円近い費用がかかるでしょう。
ベランダのリフォーム費用
ベランダのリフォーム費用については、10万円から70万円程度となるでしょう。
これは、施工内容について大きく変動します。防水リフォームであれば10万円、ベランダの後付けなら60万円程度となるでしょう。
また、サンルームの設置であれば、さらに費用がかかかるケースもあります。
耐震リフォームの費用
戸建てでの全面リフォームの場合、耐震リフォームを実施するケースも多くあります。この場合では、費用は150万円ほどかかると想定しておきましょう。
ちなみに、全面リフォームで耐震工事が含まれる場合、耐震関係の補助金を利用できるケースも。
実施する全面リフォームが補助金の対象になるか、確認しておきましょう。
マンションでリフォームする場合の費用
上記までは、戸建てを全面リフォームするうえでの費用について解説しました。
続いて、マンションで全面リフォームを実施する場合の費用について解説します。
マンションと戸建てでは費用も異なるので、注意しましょう。
築年数 | おすすめ全面リフォームの内容 | 費用 |
---|---|---|
築20年 | 水回り設備の交換、クロス・床張替え、現在のライフスタイルに合わせた間取り変更(和室から洋室にする、キッチンを移動させるなど) | 500万円前後 |
築30年以上 | 内装をイチから作り直すスケルトンリフォーム | 700万円前後 |
※3LDK(80㎡)の前提
※税別
キッチンのリフォーム費用
マンションの全面リフォームにおいては、キッチンには50万円から160万円の費用が必要となるでしょう。
マンションの場合は、キッチンを動かす場合、追加の費用がかかります。
マンションの構造次第では高額な費用になる場合もあるので、注意しましょう。
トイレのリフォーム費用
トイレのリフォーム費用としては、おおむね2万円から80万円が必要でしょう。
便器の交換など、簡単なリフォームであれば、2万円から5万円ほどでおさまります。
一方、全面的にトイレをリフォームする場合は少なくとも40万円以上は必要でしょう。
お風呂のリフォーム費用
お風呂のリフォーム費用としては、およそ100万円は予算として確保しておきたいところです。
安ければ50万円、全面的なリフォームなら150万円を超えます。
費用は、面積やグレード、オプションの数で変動します。
玄関のリフォーム費用
玄関のリフォームをする場合、おおむね25万円から45万円が必要でしょう。
玄関の場合、健在やデザイン、広さ、あるいは工法によって変動します。
全面的なリフォームをする場合は、50万円以上がかかるケースもあります。
リビングのリフォーム費用
マンションの全面リフォームでは、たいていリビングが対象となるはずです。
リビングのリフォーム費用としては、おおむね10万円から200万円の予算が必要となるでしょう。
リビングにおける施工内容としては、
- フローリングの張り替え
- 照明の設置
- 仕切りの撤去
- 床暖房取り付け
など、かなり多様ですので、何を施工内容として盛り込むかで、予算は大きく変動します。
部屋のリフォーム費用
部屋のリフォーム費用としては、だいたい25万円から100万円予算が必要です。
簡単なリフォームであれば25万円程度ですが、全面的にリフォームするなら、100万円は用意しておきたいところです。
予算別で見る全面リフォーム
上記のように、全面リフォームにおける費用は、場所ごとでさまざまです。
続いて、全面リフォームにかかる費用を、予算別で解説します。
予算が確定している場合のリフォーム内容、また予算を計画するうえでの参考にしてください。
戸建ての全面リフォーム
まず、戸建ての全面リフォームにおける費用を、
- 予算500万円
- 予算1,000万円
のケースで解説します。
予算500万円
500万円の予算があれば、以下のような全面リフォームが実施できるでしょう。
施工内容 | 費用 |
---|---|
水回りの全入れ替え | 200万円前後 |
フローリング張り替え | 50万円前後 |
クロスの貼り替え | 50万円前後 |
部屋を和室から洋室にする | 80万円前後 |
リビングの一部リフォーム | 120万円前後 |
合計 | 500万円前後 |
というように、500万円の予算があれば、主要な部分はほとんど含んだ全面リフォームを実施できます。
多少グレードや機能性を追求するくらいの余裕もあるでしょう。
予算1000万円
予算1,000万円であれば、以下のような全面リフォームを実施できいます。
施工内容 | 費用 |
---|---|
フローリング張り替え | 50万円前後 |
トイレの全面リフォーム | 50万円前後 |
部屋を和室から洋室にする | 80万円前後 |
リビングの全面リフォーム | 200万円前後 |
玄関の全面リフォーム | 50万円前後 |
お風呂の全面リフォーム | 150万円前後 |
クロスの全面張り替え | 70万円前後 |
キッチンの移動、リフォーム | 150万円前後 |
合計 | 1,000万円前後 |
上記のとおり、1,000万円あれば、隅々まで全面リフォームすることが可能です。
また、グレードや機能性などについてもかなり選択肢が広がるでしょう。
マンションの全面リフォーム
続いて、マンションの全面リフォームの予算別での施工内容について解説します。戸建てとは勝手が異なるので、注意してください。
予算300万円
マンションの全面リフォームにおいては、300万円の予算があれば、以下のようなリフォームが実施できるでしょう。
施工内容 | 費用 |
---|---|
リビングの一部リフォーム | 100万円前後 |
玄関のリフォーム | 30万円前後 |
部屋のクロス・フローリング張り替え | 30万円前後 |
キッチンの一部リフォーム | 50万円前後 |
トイレのリフォーム | 30万円前後 |
お風呂の一部リフォーム | 50万円前後 |
合計 | 290万円前後 |
300万円の予算でも、マンションにおける全面リフォームはじゅうぶん可能です。
ただし、機能性やグレードにこだわるのは、難しいかもしれません。
予算500万円
マンションの全面リフォームにおいては、500万円の予算があれば、住宅の様子は大きく変化するでしょう。
施工内容 | 費用 |
---|---|
リビングの一部リフォーム | 100万円前後 |
玄関のリフォーム | 30万円前後 |
和室から洋室にリフォーム | 100万円前後 |
お風呂・洗面のリフォーム | 120万円前後 |
トイレのリフォーム | 30万円前後 |
キッチンのリフォーム | 100万円前後 |
合計 | 480万円前後 |
上記のとおり、全面に対してかなり本格的なリフォームを実施することが可能です。
もちろんグレードについてある程度こだわる余裕もあるでしょう。
上記以外にも、ベランダなどをリフォームする選択肢もあります。
全面リフォームに掛かる工期
全面リフォームは、かなり長い工期を要します。おおむね、2ヶ月から4ヶ月程度かかるでしょう。
主な施工内容ごとでかかる工期の目安は、以下のとおり。
施工内容 | 工期の目安 |
---|---|
水回りの全入れ替え | 2週間〜3週間 |
トイレの全面リフォーム | 1週間 |
リビングの全面リフォーム | 2週間〜1ヶ月 |
和室から洋室へ切り替える | 5日〜10日 |
玄関の全面リフォーム | 5日〜10日 |
お風呂の全面リフォーム | 4日〜10日 |
ただし、工期はリフォームの規模によって変動する部分があります。
上記は、あくまでも目安として考えてください。
また、工期中は一時的に居住できないケースもあるでしょう。この場合は仮住まいをするなどの対応が必要です。
仮住まいする場合は別途家賃や交通費がかかるので、計算に入れておきましょう。
戸建ての場合
戸建ての場合、全面リフォームが終わるまで2~5ヶ月程度の工期が必要となるでしょう。
幅があるのは、表面的な張替えやキッチンなど住宅設備の入れ替えのみを行う場合と、骨組みだけ残し壁も全てリフォームする場合では、工期は全く変わるためです。
構造部分の劣化具合によっても、工期は大きく変わります。これは、劣化が激しい場合、その部分を補修していく作業が必要になるためです。
また、リフォームが始まる前にも、業者探しから始まり、契約、リフォームプランの打ち合わせなど準備期間も必要です。さらに場合によってはローン審査、仮住まい探し、引っ越しもあります。
この準備期間もざっくり2ヶ月~半年と考えておきましょう。
マンションの場合
マンションの全面リフォームであれば、2~3か月程度の工期が必要となるでしょう。
マンションは戸建てに比べ、外壁や屋根がなく、ワンフロアで面積も比較的小さいため、期間は短めです。
また、リフォームが始まる前にも、業者探しから始まり、契約、リフォームプランの打ち合わせなど準備期間も必要です。さらに場合によってはローン審査、仮住まい探し、引っ越しもあります。
この準備期間もざっくり2ヶ月~半年と考えておきましょう。
全面リフォームに使える補助金・減税制度
全面リフォームを実施するときは、
- 補助金
- 減税制度
を利用できるかもしれません。これは、全面リフォームの費用は相当におさえられます。
補助金
全面リフォームでは、補助金を利用することも可能です。
補助金があれば、全面リフォームにかかる費用はグッとおさえられるでしょう。
たとえば、以下のような補助金は適用される可能性が高いと言えます。
補助金制度名 | 金額 |
---|---|
介護リフォーム | 最大18万円 |
省エネ断熱リノベーション | 最大200万円 |
ZEH住宅補助金 | 最大60万円 |
長期優良住宅化 | 〜最大300万円 |
全面リフォームを実施する場合は、補助金が利用できるかチェックしてみましょう。
減税制度
全面リフォームについては、減税制度が利用できる可能性もあります。
たとえば住宅ローンを利用すれば、最大10年間、ローン残高の1%ぶん、所得税が控除されます。
所得税で控除しきれない場合、住民税から控除されるしくみです。
全面リフォームで余計な税金が発生しないように、減税制度を利用できないかきちんとチェックしておきましょう。
まとめ
全面リフォームを実施する場合は、かなりの費用がかかるはずです。
安くても300万円、高ければ1,000万円以上の予算が必要となるでしょう。
ただし全面リフォームの費用は、状況によって大幅に変化します。
あくまでも本記事は、目安として参考にしてください。
全面リフォームは非常に大掛かりなので、やるべきこと、考えるべき点はさまざまあります。
時間をかけて計画し、後から後悔しないようにしましょう。
この記事の筆者
住まいる工務店
「住まいる工務店」は、業界歴15年、住宅リフォーム工事を中心とした各種内外装リフォーム全般(塗装工事/外壁工事/屋根工事/水廻り改修/室内リフォーム/設備機器交換/エクステリア/不用品処分/他)を行っております。親切丁寧をモットーに、小さな修理から大規模な改修まで、住まいに関するお悩みに寄り添います。快適な暮らしを支える住環境のパートナーとして、末長くお付き合いさせていただけたらと思います。従業員一同、感謝の気持ちを胸に、日々の業務に取り組んでいます。
保有資格:1級建築施工管理技士/1級塗装技能士/リフォームスタイリスト/雨漏れ診断士