化粧シートの特徴と選び方
2023年03月28日
お役立ち情報・コラム
化粧シートとは
床材や室内ドア(扉)、収納扉など、内装やインテリア建材に用いられる木質系の素材には、「無垢材」や「突板(仕上げ・張り)」、「化粧シート(仕上げ・張り)」が挙げられます。中でも近年、多くの商品に用いられ、バリエーションも豊富なのが「化粧シート」です。
「化粧シート」とは、樹脂(フィルム)やオレフィン(※)、紙などのシートに、木目や石目、柄などを印刷したもの(プリントシート、樹脂化粧シート、特殊加工化粧シートなど)です。印刷技術などの進化によって、本物の素材のような精度のものも多くみられるようになりました。
※オレフィンとは…炭素と水素が主成分の樹脂。燃却する際に有毒ガスが発生しない環境に配慮されたもの。
化粧シート仕上げ
これらのシートを合板やMDF(中質繊維板)などの基材に張り合わせたものが「化粧シート仕上げ」の建材になります。いずれも、品質や仕上がりが均一で、施工性に優れていることなどが特徴です。
シートを重ねたり、表面加工を施すなどの工夫が施され、木目の凸凹などを感じることができるもの、メーカー独自の技術開発によって、本来の素材に近い雰囲気を持つものも増えてきています。
幅広い用途
「化粧シート仕上げ」は、床材(フローリング)はもちろん、室内扉や収納扉、階段や手すりなどの造作部材、システムキッチンや洗面化粧材の扉材などにも広く用いられています。
たとえば、「化粧シート仕上げ」の床材(フローリング)は、分譲住宅や賃貸マンションなどでも広く取り入れられている床材となっていますし、室内扉や収納扉も同様でしょう。新築やリフォームの際には、薄くそいだ天然木の単板用いる「突板仕上げ」ともに、豊富な商品ライナップが揃っているので、予算やプランニングに合わせて、選ぶことが可能。建材メーカーによっては、空間全体のトータルコーディネートができる商品シリーズもみられます。
美しさや素材感を再現
多様なデザインを楽しめるのも「化粧シート」の魅力のひとつです。たとえば、木目タイプであれば、ウォルナット、チェリー、メープルなど、さまざまな樹木を再現。無垢材では取り入れることが難しい、高価な材料の風合いをインテリアに取り入れることが可能です。
木目だけでなく、マーブルやオニックスなどの石目模様や抽象柄などを取り入れたフローリング、ホワイトや特徴的な色合いのペイント調の扉なども揃っています。
清潔感があり、すっきりとした色柄は、リビングやダイニングだけでなく、キッチンや洗面、トイレなどの水まわりにも向いています。
傷がつきにくく、手入れも簡単
「化粧シート」の特徴は、傷がつきにくく、手入れが簡単なことです。
床材(フローリング)であれば、凹みや擦り傷をつきにくくしたものなどがみられ、キャスターや車椅子にも対応したものも。耐水性能や抗菌仕様を施したもの、ホットカーペットや床暖房に対応したものなどもみられます。日常的な掃除は、乾拭き程度で済むのも魅力です。
「化粧シート」などの内装建材は、出来る限り見本を取り寄せるなど、実物を確認することをお勧めします。商品によって特徴はさまざまなので、色はもちろん、素材感や風合い、光沢などを確かめておくことがポイントです。
床材であれば、サンプルを床に置き、肌触りや照明によって変わる表情などをチェックしましょう。
扉材であれば、風合いや手触りなども確認しておきたいものです。
もちろん、お手入れやメンテナンス方法などと合わせて検討を。水まわりで用いる場合などは特に配慮が必要でしょう。
取り入れる空間や好み、予算など、優先順位を明確にして、住まい全体を考慮してプランニングすることが大切です。
この記事の筆者
住まいる工務店
「住まいる工務店」は、業界歴15年、住宅リフォーム工事を中心とした各種内外装リフォーム全般(塗装工事/外壁工事/屋根工事/水廻り改修/室内リフォーム/設備機器交換/エクステリア/不用品処分/他)を行っております。親切丁寧をモットーに、小さな修理から大規模な改修まで、住まいに関するお悩みに寄り添います。快適な暮らしを支える住環境のパートナーとして、末長くお付き合いさせていただけたらと思います。従業員一同、感謝の気持ちを胸に、日々の業務に取り組んでいます。
保有資格:1級建築施工管理技士/1級塗装技能士/リフォームスタイリスト/雨漏れ診断士