屋上防水の種類
2022年10月23日
お役立ち情報・コラム
今回は、屋上防水の工事の種類についてお伝えします。
屋上防水っていったい何か?というと学校やマンションの屋上などに見られる
勾配のついていない陸屋根に行われる防水工事です。
一軒家のように傾斜のある屋根とは異なり陸屋根は勾配がないため、水がその場で滞ります。
そのため、建物に雨水が染み込まないような防水工事を行う必要があります。
1.屋上防水の施工方法:シート防水
シート防水とは、シート状の材料を用いて防水層を作る工法です。
シート防水には、塩ビシート防水(塩化ビニール樹脂製のシート)と、ゴムシート防水があります。
・塩ビシート防水
塩ビシートは、オゾンや紫外線に強い耐候性を備える材質です。
施工の仕方は、工場で生産された均一なシートを「接着工法」
もしくは「機械的固定工法」で仕上げていきます。
「接着工法」はシートの裏面に接着材を塗って貼り付けていく工法。
「機械的固定工法」は、シートの下に緩衝剤などを敷きこみ、
ビスなどを用いて固定していく工法です。
・ゴムシート防水
もともとは、日本の防水工事の主流でした。
伸縮性などには優れているものの、下地の影響を受けやすく、またシート自体も薄いため、鳥がくちばしでついばんで破れてしまうこともあります。
2.屋上防水の施工方法:塗膜防水(ウレタン、FRP)
塗膜防水工法とは、防水機能を持つ塗料を塗る工法です。
塗膜防水で用いられる塗料はいくつかありますが、
一般的なのは「ウレタン防水」と「FRP防水」です。
・ウレタン防水とは
日本で行われている防水工事の中でも、
用いられている割合が高いのがウレタン防水です。
液体の塗料を用いるため
どのような形状の屋根にも用いることができます。
また、シート防水等とは異なり継ぎ目のない防水層を形成できます。
主流の工事のため、対応工事店が多い点も安心できるところです。
また、塗膜自体は比較的柔らかいですが、何度も塗り替えが可能ですので
定期的にメンテナンスを行うことで防水機能を維持し続けることができます。
・FRP防水
FRPは繊維強化プラスチック(Fiberglass Reinforced Plastics)の略称です。
FRPはガラス繊維などの、無機質の素材で補強されたプラスチックです。
なので「軽くて強い」が最大の特徴です。
そんな特徴をもつFRPは屋上やベランダの防水材料としてだけでなく、
船舶や自動車、温泉施設の浴槽などに用いられます。
FRP防水工事の際には、液状の樹脂(ポリエステル樹脂等)と
ガラスマット(ガラス繊維)を使用します。
塗料が固まるのが比較的早いので施工自体は進みますが、
他の防水工事とは違い液状の樹脂をガラスマットに塗る工程があるため、
全体としては、仕上がりまで時間はかかります。
またFRP防水に使用する材料は高価。
なので、工事価格は他の防水工事より高くなります。
また、高い防水機能を持つものの、月日が経つと紫外線の影響などで
塗膜に亀裂が入ったり、塗装がはがれたりします。
対策として、定期的に表面のトップコートを塗り替え、
雨漏りを誘発しないような補修工事をしましょう!
3.屋上防水の施工方法:アスファルト防水
周りにもコーティングしたシート状のルーフィングを用いた防水工法です。
アスファルト防水は、主に2つの工法に分けられます。
1つ目は熱工法、2つ目はトーチ工法です。
熱工法は溶融窯で高温に熱したアスファルトを用いて
ルーフィングを密着させていく工法です。
このアスファルトは冷めると固まることから、
すぐに防水層を形成することができます。
トーチ工法は、アスファルトルーフィングの表面を
あぶり溶かしながら張り付けていく工法です。
このほかに、液状のアスファルトでアスファルトシートを貼り合わせていく
「冷工法」もあります。
この記事の筆者
住まいる工務店
「住まいる工務店」は、業界歴15年、住宅リフォーム工事を中心とした各種内外装リフォーム全般(塗装工事/外壁工事/屋根工事/水廻り改修/室内リフォーム/設備機器交換/エクステリア/不用品処分/他)を行っております。親切丁寧をモットーに、小さな修理から大規模な改修まで、住まいに関するお悩みに寄り添います。快適な暮らしを支える住環境のパートナーとして、末長くお付き合いさせていただけたらと思います。従業員一同、感謝の気持ちを胸に、日々の業務に取り組んでいます。
保有資格:1級建築施工管理技士/1級塗装技能士/リフォームスタイリスト/雨漏れ診断士