床仕上げについて
2023年02月28日
お役立ち情報・コラム
内装の雰囲気を大きく左右する床材は、種類も豊富で、どれも魅力的な材料ばかりで迷うところですよね。
住宅に暮らす家族や、部屋の用途に応じて、適した床材を選ぶためには、それぞれの特徴を理解することが大切です。
こちらでは、住宅の床に使われる床仕上げ材の基本的な種類と、特徴、選び方のポイントを伝えします。
床仕上げ材の種類
住宅に使われる主な床仕上げ材の種類は、次のものがあります。
- 木質系…フローリング、コルク
- 石系…天然石、人工石
- タイル系…磁器質タイル、石器質タイル
- プラスチック系…クッションフロアシート
- 繊維系…カーペット
- その他 畳など
材質によって、見た目やデザインはもちろん、使い勝手も異なります。
それぞれの特徴を理解して、適材適所で使い分けられるといいですね。
床仕上げ材の特徴
それでは、住宅に使われる主な床仕上げ材の特徴を解説します。
フローリング
フローリングには、天然の無垢材を加工してフローリングの形状にした「単層フローリング」と、合板を重ねて表面に化粧シートや、薄い木目材を張った「複合フローリング」があり、それぞれ異なる特徴を持っています。
無垢材の単層フローリングの特徴
- 樹種により異なる特徴が楽しめる
- 調湿性に優れる
- 使うほど変化する色合いが楽しめる
- 温かみがある
- 肌触りが良い
- 割れや反り等の変形が起きやすい
- 傷がつきやすい
- 汚れがしみこみやすい
複合フローリングの特徴
- 壁や建具とコーディネートしやすい
- 割れや反りなどの変形がおきにくい
- 比較的安価
- 防水や防音、防傷などの機能性が高いものがある
- 清掃性がいい
- 調湿効果はない
- 使う程劣化して行く
フローリングは、内装工事に分類されることがありますが、大工工事で施工されます。
それぞれの特徴をよく理解した上で、暮らし方や家族の状況に合ったフローリングを選びましょう。
コルク
コルク樫の樹皮を圧縮、成型した床材です。
フローリング形状にしたコルクフローリングと、タイル形状にしたコルクタイルがあり、次の特徴があります。
- 耐久性、吸音性、耐水性、断熱性、防炎性、弾力性、調湿性、保温性に優れる
- 滑りにくく歩きやすい
- 清掃性がいい
- アレルギーを起こしにくい
- 幼稚園や保育園、老人福祉施設などでも使われる
- 色合いはコルクの風合いを活かしたブラウンが多い
- 一部着色加工された商品もある
- 日焼けしやすい
- 補修が難しい
クッションフロアシート(CFシート・長尺シート)
塩化ビニル樹脂製のものにクッション性を持たせた床材で、厚みは1.8mm~3.5mmのものが住宅の床材として一般的です。次の特徴があります。
- 比較的安価
- 豊富なデザインのバリエーションがある
- 衝撃の吸収性、遮音性、防水性に優れる
- 清掃性が良い
- 表面が柔らかいため、足腰への負担軽減になる
- 濡れると滑る
- 傷つきやすく、補修は難しい
- 重い家具などを置くとへこみが戻らなくなることがある
フロアタイル
プラスチック樹脂を原料とし、厚さ2.5mm程度で、タイル状に張り合わせて施工する硬質塩化ビニル製の床材です。次の特徴があります。
- 比較的安価(フローリング、タイルよりも安い)
- 木目調や、タイルや、石目調などをCFシートよりリアルに表現することができる
- 表面が硬く丈夫
- 耐久性に優れる
- 清掃性がいい
- 高級感がある
- 目地を入れることができる
天然石
天然石は、大自然に育まれた石材のことで、天然石で、住宅の床材に使われるのは大理石・花こう岩(御影石)・石灰岩(ライムスト―ン)があります。天然石には、次の特徴があります。
- 耐久性に優れる
- 硬く、傷やへこみがつきにくい
- 高級
- 重厚感がある
- 清掃性がいい
- 天然石よりも硬いものを落とすと割れることがある
- シミになりやすい
- 冷たい
- 光沢仕上げは滑りやすい
大理石
- 美しいマーブル模様が特徴
- 光沢が強い
- 高級感がある
- 滑りやすい
- アルカリ性、酸性に弱く、触れると変質する
石灰岩
- 優しく自然な色合いと比較的薄い模様が特徴
- 熱の影響を受けにくい
- 吸水性がよく、汚れがつきやすいため、本磨きや防水処理が必要
- 比較的軟らかい
花崗岩(御影石)
- 産地によって異なる色合いと雲母を含んだ模様が特徴
- 耐久性がとても高い
- 耐熱性に劣る
人造石
大理石や御影石を模して人工的に作られた石材です。天然石やガラスなどを粉砕し、固め、成型して作られます。次の特徴があります。
- 天然石よりも強度が高い
- 耐摩耗性、ひび割れに強い
- 汚れにくい
- 豊富な色合いから選べる
- オーダーメイドできる
- 清掃性がいい
- 変質しにくい
カーペット
ウールやアクリルなどの繊維を素材とした床材です。ループタイプとカットタイプが代表的で、次の特徴があります。
- 断熱性、防音性に優れる
- 足触りが良い
- 色彩やデザインのバリエーションが豊富
- 高価なカーペットは高級感がある
- 汚れが染み込みやすい
- ダニが発生することがある
タイルカーペット
タイル状に成型されたカーペットで、敷き詰めて使います。次の特徴があります。
- 断熱性、防音性に優れる
- 敷きたい場所に合わせてサイズを自由に決められる
- 好きな張り方や組み合わせで独自のデザインをつくれる
- 汚れた部分だけ交換できる
- 色彩やデザインのバリエーションが豊富
- 汚れが浸みこみやすい
- ダニが発生することがある
タイル
住宅内装の床材として用いられるタイルは、主に丈夫な磁気質とせっ器質のものが用いられます。タイル床には、次の特徴があります。
- 耐水性に優れる
- 汚れが付きにくく、傷に強く、清掃性に優れる
- 床暖房と相性がいい
- 高級
- 重厚感がある
- タイルの目地部分が比較的汚れやすい
- 硬く、足腰に負担がかかる
- 冷たい
磁器質タイルは次の特徴があります。
- 吸水率1%以下で、変形しにくい
- 石英や長石を1,200~1,350℃で焼いてできている
- 硬く丈夫で汚れにくい
- 叩くと金属のような音がする
せっ器質タイルは次の特徴があります。
- 吸水率5%以下
- 粘土や長石を1,200℃前後で焼いてできている
- 釉薬をかけない無釉タイルが多い
- 素焼きの質感
- 叩くと石のような音がする
畳
芯材になる板状のスポンジや、断熱材などの表面にイグサを編み込んだ日本で昔から親しまれてきた床材です。次の特徴があります。
- 適度な弾力性がある
- 緩衝性、調湿性、断熱性、耐久性に優れる
- 優しい香りがする
- 汚れが浸みこみやすい
- 傷つきやすい
- ダニが発生することがある
- 表面を張り替えることで再度使用するこができる
床材選びのポイント
たくさんの床材の中から、自分の家に合った床材を選ぶためのポイントをお伝えします。
イメージから選ぶ
部屋の雰囲気をどのようにしたいか、検討しましょう。例えば、次のように考えます。
- ホッとする暖かみのある雰囲気にしたい…フローリング、コルク、カーペット、畳など
- 高級感がある感じにしたい…タイル、石、カーペットなど
- カントリーテイストのインテリアにしたい…無垢フローリングなど
- クールテイストのインテリアにしたい…複合フローリング、タイル、石など
- 和風の趣にしたい…フローリング、畳など
インテリア事例や、住宅の施工例などのイメージ写真をたくさん見て、自分好みの雰囲気を見つけましょう。
部屋の用途によって選ぶ
床材は、材質によって異なる特徴があるため、普段過ごす居室や、水を扱う水廻りなど、部屋の用途によって選び分けるといいでしょう。
部屋の用途ごとに適した床材を確認しましょう。
- 水廻り…クッションフロアシート、フロアタイル、タイル、複合フローリング、防水コルク、人造石
- リビング…フローリング、コルク、カーペット、タイルカーペット、天然石
- ダイニング…フローリング、コルク、タイル
- 寝室…フローリング、コルク、カーペット、タイルカーペット、天然石
- 玄関土間…タイル、フロアタイル、タイル、天然石、人造石
家族に合ったものを選ぶ
家族の年齢や健康状況に合わせた床材を選ぶことも大切です。例えば、次のように検討してください。
- 小さな子供がいる…走り回って転倒すると危険なので、タイルや石材の使い方に注意する。汚れやすい畳やカーペットも使う場所に注意。掃除しやすいコルクやフローリングが◎
- 足腰の不自由な家族がいる…滑りにくいコルクや、足腰の負担を軽減する軟らかさがあり、段差ができにくいクッションフロアシート、無垢フローリングがおすすめです。
- アレルギー原因物質に敏感な族がいる…ホコリやアレルギー原因物質を溜め込みやすいカーペットや、畳は避ける
実物を確認する
リフォームの際は、カタログで品物を選んでしまうことがあります。
カタログでは、写真で選ぶことになりますので、実際の質感などがわかりづらい事もありますね。
可能ならサンプルで実物を確認した上で選びましょう。
実物サンプルを取り寄せておくと、壁・天井の内装材を選ぶ際にもコーディネートが確認しやすくなり、とても役立ちます。
部屋ごとに変える場合は色合いに注意
床材は、すべての部屋で統一するとは限りませんよね。
部屋ごとや、階ごと、広いLDKなどの空間の場合は、キッチン・ダイニング・リビングなど、エリアによって変えることもあります。
床材を変える場合には、色合いのコーディネートに気をつかってみましょう。
フローリング+タイルのように違う材質のものを組み合わせる場合は違和感がありませんが、違う色同士のフローリングや、フローリング+木目調のCFシートのように、同じ雰囲気の床材を使う場合は、違和感が生じやすく、知らず知らずストレスになる事も。
特に気を付けて色合わせをしましょう。
住宅の床に使われる内装材について解説しました。
床材は、家族の状況や部屋の用途に応じて適した床材を選ぶことが大切です。
床材の特徴をよく理解した上で、住まいに合ったものを選びたいですね。
この記事の筆者
住まいる工務店
「住まいる工務店」は、業界歴15年、住宅リフォーム工事を中心とした各種内外装リフォーム全般(塗装工事/外壁工事/屋根工事/水廻り改修/室内リフォーム/設備機器交換/エクステリア/不用品処分/他)を行っております。親切丁寧をモットーに、小さな修理から大規模な改修まで、住まいに関するお悩みに寄り添います。快適な暮らしを支える住環境のパートナーとして、末長くお付き合いさせていただけたらと思います。従業員一同、感謝の気持ちを胸に、日々の業務に取り組んでいます。
保有資格:1級建築施工管理技士/1級塗装技能士/リフォームスタイリスト/雨漏れ診断士