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木の香りの効能

2023年01月12日

お役立ち情報・コラム

 

木の香りが心地いいのは

身も心もリフレッシュできる森林浴。森に入るとすがすがしい爽やかさを感じますよね。
実は、森の中の木、一本一本から放出されているフィトンチッドという成分が作用していることが研究で明らかになっており、「感じる」理由はすでに解明されているのです。

フィトンチッドという成分名は、直訳するとフィトンが「植物が」、チッドが「殺す」という意味です。
高等植物が傷ついた際に傷口を菌や細菌から守るために周囲の生物を殺す物質を出すことに由来しています。
私たち人間にとっては多くの恩恵がある物質であり、木の香りが心地いい理由はこのフィトンチッドの働きによって起きています。

木の香りのリラックス効果

フィトンチッドが人体に与えるよい影響は世界中で研究が進められており、フィトンチッドに含まれる揮発性物質が部分酸化するときに出てくるマイナスイオン物質の作用による効果だといわれています。

現在認められている効果は下記です。

・リラクゼーション(精神の安定)
・大脳皮質の活性化(脳内のα波の発生を促し、精神を安定させる)
・高血圧の抑制
・神経系の緩和(自律神経の安定)
・皮膚病・呼吸器系疾患の改善
・アレルギー性疾患の予防、回復ほか

「フィトンチッド」は人の副交感神経を刺激して精神を安定させ、解放感、疲労回復、ストレスの解消などをもたらすと言われています。
そのため、ドイツでは森林浴は医療行為として認められており、がん細胞を攻撃して排除する免疫細胞のひとつであるNK(ナチュラルキラー)細胞を活性化させる働きもあると言われています。

そうは言っても、森に度々行くのはなかなか難しいですよね。

でも、無垢の木の香りにもフィトンチッドは含まれています。その為、建材に無垢材を取り入れても同様にその効果が期待できるのです。

木の香りの消臭効果

木にはいい香りだけでなく、悪臭そのものを消す働きがあることをご存じでしょうか。
本来ならば、家の中で飼っている動物の比ではないほど、動物がいるはずの森。
排泄物が片付けられることは無く、堆積しているはずなのに空気が清々しいと感じるのには理由があります。
それは、フィトンチッドには消臭効果や脱臭効果があり、空気を浄化する力があるからなのです。

特に、トドマツやヒバの香り成分には他の木と比べても更に高い消臭率があることが分かっています。

アンモニアの消臭だけでなく、ホルムアルデヒドの吸着や、二酸化炭素ガスの吸着にも適しており、トドマツの枝葉から生まれた空気浄化剤も発売されているほど。

犬や猫を飼われているお宅なら、手触りや色味のお好みと共に、消臭の観点から選んでみるのもいいですね。

木の香りで除菌・抗菌・防虫

フィトンチッドの直訳「植物が殺す」の通り、除菌抗菌・防虫の働きは、菌や細菌、虫から自身を守るために生まれた成分「フィトンチッド」が存在する理由そのものです。

その効果は日本でも古くから利用されており、おにぎりを木の皮で包んだり、木のお弁当箱がよく使われていたのも、除菌・抗菌、防虫効果を活用したものです。
現在でも多くのお寿司屋さんで使用されている寿司下駄やすし桶は木製で、ネタを入れておくガラスケースの中にネタと共に葉が入れられていますよね。

木の種類によっても効果に違いがあり、特に効果があるとされているのが、下記です。

抗菌 ヒノキ、ヒバ、サワラ、ネズコ、タイヒ、ユ-カリ
防蟻 ヒノキ、ヒバ、サワラ、コウヤマキ、イヌマキ、センダン
防ダニ ヒノキ、ヒバ、サワラ、スギ、アカマツ、ベイヒバ、ベイスギ
防虫 クス、センダン、ユ-カリ

抗菌・防蟻・防ダニに効果がある檜材ですが、ヒノキの木屑の中ではダニが死滅することが実験により確かめられ、カーペットの下に置く防ダニシートにはヒノキ精油が使われているものもあるほど、その効果が広く知られています。

絨毯敷きの部屋を檜のフローリングにリフォームしたところ、ダニが驚くほど減ったという実験結果もあるので、アトピーなどのアレルギーがある場合や、ペットを飼う場合は檜のフローリングを検討されるのも良いかもしれませんね。

木が香る理由

木の心地良い香りは、材内の精油成分によるものですが、この製油成分こそがフィトンチッドそのものです。

杉と檜の香りが違うように、樹種によって香りが違うのは、1つの樹種にそれぞれ十種類以上含まれているためです。
樹種によって種類や含有量が異なるので、消臭や除菌効果が違うのと同じく、香りも違うのです。

無垢材をふんだんに使用したお家は、常に木の香りに包まれた生活を送ることになります。
手触りや色味だけでなく、自分たちの好きな香りにもぜひ着目してくださいね。

まとめ

木はもともと根から養分を吸収し葉で光合成をおこなっているのですが、それら全ての営みを仮道管の細胞が行なっています。
この細胞は木材になった後も材の中でしっかりと形をとどめており、この細胞が湿気を吸収したり吐いたりする姿が「木が呼吸している」と言われる由縁です。

そのため、この細胞を塞いでしまう加工を行った材では、木の持つ効果はほとんど期待できませんが、塞がない限り効果が持続するのは事実です。

そして、樹齢1000年、伐採後1300年が経過した法隆寺の檜材でさえ、いまだに表面を2~3ミリ削るだけで檜独特の香りが漂いだすほど、木が持つ匂い成分の寿命は長いとされています。
驚くほど長い寿命を持つ木。
もしリフォームの際、無垢材を使用しようと考えたなら、好きかどうか以外にも、木の持つ力をどう使いたいか、望む暮らしができる木は何か?という観点で材種を選ぶと良いですね。

この記事の筆者

住まいる工務店

「住まいる工務店」は、業界歴15年、住宅リフォーム工事を中心とした各種内外装リフォーム全般(塗装工事/外壁工事/屋根工事/水廻り改修/室内リフォーム/設備機器交換/エクステリア/不用品処分/他)を行っております。親切丁寧をモットーに、小さな修理から大規模な改修まで、住まいに関するお悩みに寄り添います。快適な暮らしを支える住環境のパートナーとして、末長くお付き合いさせていただけたらと思います。従業員一同、感謝の気持ちを胸に、日々の業務に取り組んでいます。

保有資格:1級建築施工管理技士/1級塗装技能士/リフォームスタイリスト/雨漏れ診断士

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