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バリアフリーリフォームのタイミングと費用について

2023年07月18日

お役立ち情報・コラム

バリアフリーリフォームを検討するタイミング

50代を迎えた方が家にいるとき

ご自身や同居されている方が50代になった時が適齢期と言われています。
50代になると、膝の痛みや足腰が弱くなったりと、転落や転倒のリスクが高くなります。 ご家族に50歳以上の方がいる方は、バリアフリーリフォームを検討してみるのも良いかもしれません。

子育てが終わったとき

子育てが終わり、子供が自立すると今まで考えられなかった自分達の生活について考える余裕ができます。 年齢的にも、このタイミングで50代を迎えられる方も多く、ご家庭の収入も安定してくる時期でもあります。
子育てが終わったタイミングでリフォームを検討すると良いかもしれません。

住宅のメンテナンスが必要になったとき

お住まいの住宅のメンテナンスが必要になったタイミング(目安は築20年が経過したタイミング)でバリアフリーリフォームを検討するのも良いでしょう。
住宅のトイレや浴室、キッチンはいずれ寿命を迎えます。 それぞれの寿命の時期は異なりますが、個別でリフォームするよりも、まとめてリフォームをした方が費用を安くおさえられます。 住宅のメンテナンスをするときに、同時にバリアフリーリフォームを検討するのも良いでしょう。

バリアフリーリフォームでよくすること

バリアフリーリフォームでよく行われるのは「手すりの取り付け」と「段差の解消」と「扉・ドア交換」です。 はじめに、これらについて見ていきましょう。

手すりの取り付け

手すりの取り付けにかかる費用

手すりの取り付けは、バリアフリーリフォームの中で最も行われている工事です。
設置する形や場所に応じてやや金額が変動します。

本体価格+工事費用

  • I字型の手すり設置工事 ⇒ 約4万円
  • L字型の手すり設置工事 ⇒ 約5万円
  • 階段手すり設置工事 ⇒ 約11万円

手すりの取り付け工事の注意点

手すりの主な設置箇所は「廊下や階段」「トイレ」「浴室」で、場所によって種類や手すりの高さが異なります。
せっかくのリフォームで工事後に「手すりの高さや太さが合わない」というトラブルにならないよう、事前に担当者とよく検討しましょう。

  • 廊下や階段に手すりを設置する場合
    I字型の手すりを設け、設置する高さについては「介助が必要な方の腰骨の辺り」に設置します。
  • トイレに手すりを設置する場合
    L字型の手すりを取り付けるのが基本で、便座に座った際に腰の高さにくるように設置します。
  • 手すりの太さ
    手すりを手で掴んだときに親指と人差し指の間に指1本分の余裕ができるくらいの太さが理想です。
段差の解消

段差の解消は、手すりの設置工事に次ぐ頻度で行われるバリアフリーリフォームです。
家の段差でつまずいて骨折し、それが原因で寝たきりになってしまうなんてケースもよくあるので、気になる段差はできるだけ解消するようにしましょう。
工事費用は段差のかさを「下げる」か「上げるか」で異なります。

段差一か所にかかる工事費用

  • 襖の敷居のかさ下げ工事 ⇒ 2万〜3万円
  • 段差をなくす床上げ工事 ⇒ 4万〜5万円

段差解消工事の注意点

ほかの接続箇所への影響

かさ上げやかさ下げによって、気になる箇所の段差を解消できても、別の部屋との間に段差が生じるケースがあります。
工事をする前に担当者がきちんと確認しますが、念頭に置いておきましょう。

水回り箇所のリフォーム

水回りは段差の解消によって水の出入りの問題が生じる場合があります。 よくある対処法として排水ピットの設置がありますが、別途費用が掛かってしまうので注意が必要です。

扉・ドア

扉・ドアのバリアフリー工事にかかる費用

よくあるのは「ハンドルレバーの交換」と「引き戸への交換」です。

一か所ごとにかかる工事費用

  • 大きなレバーハンドルへ変更 ⇒ 1.5万円/箇所
  • 引き戸への変更 ⇒ 約10万円

扉部分のバリアリフォームの多くは、「幅の広い引き戸への変更」です。
その理由の1つは、介護者と被介護者が寄り添った状態や介護用車椅子を使った状態でも扉を通りやすくするためです。
もう1つは、トイレなどの狭い個室で倒れると、内開き扉を開けられなくなってしまうからです。

扉・ドアのバリアフリー工事の注意点

扉などの建具の改修には、実際に使った際に必要な寸法を満たしているか確認するようにしましょう。 特に介護用車椅子の場合は、廊下に面した出入り口を直角に曲がって出るのは難しいので、十分な幅を確保する必要があります。

バリアフリーリフォームにかかる費用

ここから場所別にバリアフリーリフォームにかかる費用を見ていきましょう。 よくリフォームがおこなわれる場所は「廊下・階段・玄関」「浴室」「トイレ」です。

廊下・階段・玄関

廊下や階段に手すりを設置すると、歩行がしやすくなります。 床のフローリングを滑りにくい素材やコルク材を使用して、転倒を防止するのも良いですね。

廊下・階段・玄関のバリアフリー工事にかかる費用

本体価格+工事費用

  • フットライト設置 ⇒ 3万〜5万円
  • 玄関、階段に手すりを設置 ⇒ 5万円〜15万円
  • 玄関外の階段をスロープにする ⇒ 40万〜50万円

高齢になると昇り降りがきつくなるだけではなく、視認性も低下するので夜間用にフットライトを付ける工事も検討してみましょう。
また、玄関の外に階段がある場合は、新たにスロープを設置する工事もできます。
階段の段差を緩やかにする工事を希望される方も多いですが、階段の構造全体を変更しなければならないので大規模な工事になります。

浴室

浴室は高齢者が一人になる場所であり、水回りは滑って転倒する恐れがあるため、十分な対策をとるようにしましょう。

浴室のバリアフリー工事にかかる費用

主な工事内容と費用は以下の通りです。

本体価格+工事費用

  • 浴室に手すりを取り付ける ⇒ 約5万円
  • 浴室暖房の設置 ⇒ 10万〜20万円
  • 浴槽をまたぎやすい高さに変更 ⇒ 約25万円
  • 浴室スペースを広げ、新たにシステムバスと洗面台を設置 ⇒ 約120万円

浴室のバリアフリー工事の注意点

  • 浴槽のサイズ
    浴槽のサイズは、「またぎやすさ」と「浴槽内での姿勢の安定」の2点を注意するようにしましょう。
    軽く膝を曲げた状態で、足が向こう側に届く程度の長さが良いです。
  • 手すりの設置
    浴室は滑りやすいので、「浴槽の中」と「洗い場」に手すりをつけましょう。
    身体を洗うのに介助が必要な場合は、介助スペースを確保する必要があるので、手すりの付け方にも注意が必要です。
  • 余裕があれば浴室暖房の設置も
    また、浴室の内と外の温度差によって血圧が急変し、心筋梗塞や脳梗塞を発症するヒートショックにも注意しましょう。 ヒートショックによって、年間1万人の死亡者を出しているようです。 予算が許すのであれば、浴室暖房の設置も検討してみましょう。
トイレ

トイレは1日に何度も利用する箇所のため、必ず生活スペースと同じ階にして、居間や寝室からの動線を十分に確保するようにしましょう。

トイレのバリアフリー工事にかかる費用

本体価格+工事費用

  • 手すり取り付け ⇒ 約3万円
  • 便座の高さを調整する ⇒ 約3万円
  • 和式トイレを洋式トイレにする ⇒ 約40万円

トイレのバリアフリー工事の注意点

引き戸にする
トイレの扉が内開きの場合は、外開きか引き戸に変更しましょう。 中で倒れた際に、扉が開かなくなってしまうからです。

負担が少ない洋式
足腰に負担がかかる和式便所のままである場合は、洋式便所に変更しましょう。
通常の様式便器の高さは40cm程度ですが、リウマチなど膝への負担が禁物な場合は、補高便座を利用します。

壁は溝がないものにする
汚物が飛び散ってしまったときのために、床材や壁紙は溝がなく清掃しやすい部材を選びましょう。

バリアフリーリフォームの補助金・減税制度

バリアフリーリフォームを行う際、支援制度や補助金を利用できます。 支援制度や補助金の種類は、大きく分けて以下の3種類があります。

①介護保険の住宅改修支援制度
②自治体からの助成金
③バリアフリーリフォームの減税制度

それぞれについて、支援や補助金を受けるための条件や金額などを見ていきましょう。

①介護保険の住宅改修支援制度

介護保険は、40歳から加入が義務付けられている保険制度で、要支援・要介護認定を受けている方は、介護費用の一部を負担してもらえます。 介護のための住宅改修費も介護保険の適用範囲なので、バリアフリーリフォームにかかる費用の負担を軽減できます。

介護保険で適用となる工事

一言に住宅改修といっても、介護保険の補助が適用されるバリアフリーリフォームの工事には制限があります。 以下の種類のバリアフリーリフォームの工事であれば、介護保険を適用できます。

  • 手すりの設置
  • 段差解消
  • 床材の変更・滑り止めの設置
  • 扉の変更・交換
  • 便器の交換
  • 上記の工事で必要な下地工事

これらの工事をする場合、次に説明する条件を満たしていれば、介護保険の住宅改修費の支給を受けられます。

介護保険で住宅改修費の支給を受ける条件

介護保険で住宅改修費の支給を受ける条件は以下の通りです。

  1. 住宅改修を行う利用者が要介護認定で要支援・要介護の認定を受けている
  2. 改修を行う住宅が利用者の介護保険被保険者証の住所と同一で、かつ実際に利用者が居住している
  3. 利用者が現在入院または福祉施設入居等で自宅を離れていない
  4. 利用者が以前に上限額まで住宅改修費の支給を受けていない

4の条件に関しては、引越し等で住居が変わった場合や、要介護度が3以上重くなった場合は、再び支給を受けられます。 住宅改修費の補助は、1度に使い切る必要がなく、上限額を越えなければ分割して利用できます。
住宅改修費は、他の介護サービスの区分支給限度額とは別枠で支給されるため、上記の条件を満たしている方はぜひ活用してください。

介護保険の補助金額と支給方法

介護保険の住宅補修費の支給は最大20万円の工事費に適用されます。 最大20万円といっても、自己負担額を含めるので、一般的な自己負担1割(利用者の所得によって1〜3割の間で変わる)であれば、最大18万円まで支給されます。
補助金の支給方法は、利用者が全額工事費を支払った後に自治体から補助金が支給される還元払いです。 一時的に利用者が全額工事費を工面するため、まとまったお金が必要であることに注意しましょう。
※自治体によっては、事前申請して受領委任払い方式に変更できます。受領委任払い方式とは、利用者は自己負担額分だけ施工業者に支払い、残りを自治体から直接業者に支払ってもらえる方式です。

②自治体からの助成金

自治体によっては、バリアフリー化を目的とするリフォームの費用の負担を軽減してくれる補助制度があります。
例えば、横浜市では「高齢者住環境整備事業」といった補助制度があります。横浜市はこの補助制度で、居住者の身体状況に合わせた住宅改造の助成を行っています。助成限度額は100万円で、自己負担割合は世帯の生計中心者の前年市民税額によって決まります。
補助金の額や受け取る条件、申込方法などは自治体によって異なるので、対象となる自治体に問い合わせて、バリアフリーリフォームの補助制度について確認しましょう。年度途中で予算を超えて、受付が中止になるケースもあるので、お早めに確認することをおすすめします。

③バリアフリーリフォームの減税制度

対象のバリアフリーリフォームを行うと、所得税や固定資産税が減税される制度もあります。 以下の3つから特殊措置を選択して、控除が受けられます。

  • 所得税減税投資型
  • 所得税減税ローン型
  • 住宅ローン減税

これらの特殊措置は、対象となる工事や減税制度の適用を受けるための条件は同じです。 ただし、控除される税金の種類や控除率、控除期間などが異なります。

減税制度で対象となる工事

減税制度の3つの特殊措置で、対象となる工事は主に以下の通りです。

  • 廊下の幅拡張
  • 階段の勾配を緩和
  • 浴室リフォーム
  • トイレリフォーム
  • 手すりの設置
  • 段差の解消
  • 戸口リフォーム
  • 滑りにくい床材への取替え

これらの工事をする場合、次に説明する条件を満たしていれば、介護保険の住宅改修費の支給を受けられます。

減税制度で控除を受けるための条件・対象者

【控除を受ける条件】

所得税や固定資産税の控除を受けるためには、以下の全ての条件満たしている必要があります。

  1. 減税申請者自らが所有し居住する住宅である
  2. 合計所得が3,000万円以下である
  3. 法令で定められた標準的な工事費用の合計が50万円以上(補助金を除く)である

【対象者】

以下のいずれかの条件を満たす方が減税制度の対象となります。

  1. 50歳以上の方
  2. 要介護または要支援認定を受けている方
  3. 障害のある方
  4. 65歳以上の方と同居、または上記の該当者と同居している方

減税制度の補助金額と手続き

所得税減税投資型は、リフォーム工事費用額(最大200万円)の10%が所得税から控除される補助金です(最大20万円)。
一方で、所得税減税ローン型は、バリアフリー改修工事に係る借入金(最大250万円)の年末残高の2%が、5年間控除される補助金です(最大12.5万円×5年=62.5万円)。
また、バリアフリー工事を行った翌年分の固定資産税を3分の1減額する補助金も存在し、上記の補助金と組み合わせられます。

【補助金を受けるための手続き】

  • 減税制度で控除を受けるには、確定申告申請時に、以下の書類を管轄の税務署に提出する必要があります。
  • 増改築等工事証明書(定められた書式に建築士等が記入したもの)
  • 住宅特定改修特別税額控除額の計算明細書(税務署で取得する)
  • 家の登記事項証明書など、家の床面積が50㎡以上であることが分かる書類
  • 工事請負契約書の写しなど、改修工事の年月日と費用が分かる書類
  • 住民票の写し(要介護認定若しくは要支援認定を受けている、障害者に該当する者又は65歳以上の親族と同居している場合は、同居する親族についても分かるもの)
  • 源泉徴収票(給与所得者のみ)

まとめ

今回はバリアフリーリフォームについて詳しく解説しました。
バリアフリーリフォームは一度にすべてを行う必要はないので、手すりの取り付けや段差の解消といった簡単な工事から少しずつ進めていくと良いでしょう。
また、補助金制度を活用すればリフォーム費用を抑えることもできます。 2000年に介護保険制度がはじまって以降、要介護と認められた方には、工事金額の9割(最大20万円)が補助金として支給されるようになりました。
気になる事がございましたら、まずは担当者にお気軽にお問合せくださいね。

この記事の筆者

住まいる工務店

「住まいる工務店」は、業界歴15年、住宅リフォーム工事を中心とした各種内外装リフォーム全般(塗装工事/外壁工事/屋根工事/水廻り改修/室内リフォーム/設備機器交換/エクステリア/不用品処分/他)を行っております。親切丁寧をモットーに、小さな修理から大規模な改修まで、住まいに関するお悩みに寄り添います。快適な暮らしを支える住環境のパートナーとして、末長くお付き合いさせていただけたらと思います。従業員一同、感謝の気持ちを胸に、日々の業務に取り組んでいます。

保有資格:1級建築施工管理技士/1級塗装技能士/リフォームスタイリスト/雨漏れ診断士

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