雨漏り修理のタイミングと費用を抑える方法を紹介
2021年05月21日
お役立ち情報・コラム
一般的な住宅に関わらず、建物にとって雨漏りというのは致命的な欠陥です。
鉄筋コンクリート造の建物であれば、内部の鉄筋が錆びて膨張することでコンクリートが剥がれてしまったり、木造住宅であれば木が腐ってしまうこともあります。
一見大したことがないように感じてしまうかもしれませんが、躯体に及ぼす被害というのは、ときに甚大になってしまうケースもあるため、雨漏りというのは放置してはいけません。
とはいえ、
- どのようなタイミングで工事すればいいのか?
- どれくらいの工事費用がかかってしまうのか?
など、さまざまな疑問点や不安な要素がありますよね。
そこで今回は、雨漏りが起きてしまった場合の適切な修理時期や、費用を抑える方法までを解説していこうと思います。
雨漏りというのは、建物の資産価値にも大きく影響する内容にもなりますので、ぜひ本記事を参考にしてみてくださいね!
雨漏り修理が必要になりやすい部位【基礎知識】
雨漏りは原因を特定するのが難しいこともありますが、起こりやすい場所というのが存在します。
では具体的にどういった部分で雨漏りが起こりやすいのか?について、ここでは解説をしていきたいと思います。
屋根の板金部(棟・雨押え・谷)
屋根というのはさまざまな部位・層で作り込んでいきますが、水が入り込んでしまう箇所で最も多い部分というのが「板金加工部分」となります。
具体的には、
- 棟板金
- 雨押え板金
- 谷板金
と呼ばれている部位で、ここに不具合が生じてしまうと雨水の侵入経路の一つになることがあります。
よくあるケースとしては、これらの板金部分は当然屋根にあるため、台風などで一部が欠損や飛ばされてしまっても気付かないことも。
そのまま気付かずに放置してしまったことで、劣化やシートの破断などが起きて雨漏りになってしまうことがあります。
屋上防水の劣化
マンションや陸屋根という形状の住宅の場合、屋上部分には防水が施工されています。
基本的に屋上防水というのは、軽歩行が可能な仕様で施工することが多いですが、経年的な劣化をしていくことで、最初はやわらかい防水層も徐々に固くなっていってしまいます。
そのまま劣化が進んでいくことで、柔軟性のなくなった防水層が切れてしまい雨漏りにつながるケースはよくありますので、覚えておくようにしましょう。
外壁のひび割れ部(クラック箇所)
雨漏りというのは、屋根や屋上などが発生源であるとは限りません。
戸建て住宅の場合は外壁がモルタルで施工されていますが、外壁のひび割れ(クラック)部分が原因となることもよくあります。
モルタルは建物の揺れ(地震なども含む)が起きることで、必ずひび割れていきます。そのため、定期的なメンテナンス(外壁塗装など)をしていくことが重要になってきます。
窓際部分(ひび割れ・コーキング)
サイディング住宅などでは、サイディングの繋ぎ目部分や窓周りというのはコーキング処理が施されています。
コーキングも屋上などの防水層と同じで、紫外線の影響や建物の揺れによって、亀裂や断裂というのが徐々に起きてくる場所です。
そのため、メンテナンスを怠ってしまったり施工不良が起きていると、破断したキーキング部分から雨水の侵入を許してしまい、雨漏りが起きてしまうことがよくあります。
その他(役物周り)
建物には、換気フードや霧除けという庇など、さまざまなものが外壁に取り付けされています。
しかし、これらの開口部分に適切なコーキング処理(防水処理)がされていなかったり、上記で説明したような経年劣化による破断が起きてしまうと、雨漏りにつながってしまうことがあります。
雨漏り修理の費用相場
雨漏りは起きてしまっている原因が何かによって、工事方法や修理方法が変わってきます。
そのため、「雨漏り修理は〇〇円」と簡単に括れるものではありませんが、工事種別ごとの概算金額は知っておくほうがいいので、ここでは種類別のおおまかな金額をご紹介します。
また原因が屋上や屋根で足場の仮設も必要になった場合などは、外壁のメンテナンスも同時にすることで仮設足場費用を一緒にすることができるのでおすすめです。
修理の項目 | 修理費用の相場 |
雨漏り調査 | 5万~50万円 |
コーキング補修(部分補修・足場なし) | 5万~10万円 |
外壁塗装 | 60万~140万円 |
屋根塗装 | 25万~80万円 |
外壁+屋根塗装 | 80万~200万円 |
屋上防水工事 | 100万~250万円 |
屋根葺き替え | 200~300万円 |
カバールーフ工事 | 150~230万円 |
雨漏り修理を適切におこない費用を抑える方法
雨漏りが起きてしまった場合、適切な処置をおこなわなければ無駄に費用がかかってしまったり、必要のない工事をしてしまうケースがあります。
そこでここからは、費用を抑えて適切な工事をするポイントについて解説します。
原因が特定してから修理する
雨漏り修理のなかで、一番重要なポイントは「原因を特定する」ということ。
ここがわからない状態のまま憶測で修理をしてしまうと、必要ない工事をしてしまうことにもなりかねません。
運良く雨漏りが止まってくれればいいものの、最悪のケースは必要ない工事をしたうえで雨漏りが止まらないということも十分あるので注意が必要です。
また、雨漏りの調査というのは、非常に難しい調査のひとつです。
目視やヒアリングで簡単に原因を特定することができるケースもありますが、散水検査やサーモグラフィによる調査など、さまざまな工程を踏まなければ特定できないこともよくあります。
そのため、数日以上調査に費やさなければいけないこともありますので、あらかじめ理解しておくようにしましょう。
専門の修理業者に依頼する
また原因が特定できたとしても、その原因を100%解消できる技術力がなければ何の意味もありませんよね。
そのため、雨漏り調査はもちろんのこと、修理をおこなううえでの技術力も非常に重要な要素となってきますので、きちんと施工実績のある業者さんに依頼するようにしましょう。
また、業者さんのフォロー体制などもチェックしておくと、万が一なにかトラブルが起きたとしても相談することもできますので、契約前に確認するようにしてくださいね!
不具合が進行する前にすぐに修理する
最後に費用を抑えるポイントとして一番重要なことは、雨漏りの原因が特定できた段階ですぐに修理をおこなうということです。
雨漏りというのは、起きてしまっている時点ですでに欠陥があるということ。
これを放置してしまうと、雨が降るたびに建物の躯体などにもダメージが蓄積してしまいます。
放置した期間が長くなるにつれて、水の侵入によって躯体が腐ってしまい、想像以上の修理費用になるということもよくありますので、原因がわかった時点で早めに修理するようにしてくださいね。
まとめ
雨漏りは知らない内に傷みが進行していってしまうことも多く、気付いた頃にはオオゴトというケースもよくあります。
そのため、発見した段階ですぐに専門家に調査依頼をして原因を特定し、早期修理をするというのが鉄則です。
建物というのは水が侵入しないように設計されているため、雨漏りが起きている時点で欠陥があるということになります。
その状態を放置してしまうと躯体が腐ったり錆びたりしてしまう原因となり、建物の資産価値も下がってしまいますので、早めに修理をしていくことをおすすめします。
この記事の筆者
住まいる工務店
「住まいる工務店」は、業界歴15年、住宅リフォーム工事を中心とした各種内外装リフォーム全般(塗装工事/外壁工事/屋根工事/水廻り改修/室内リフォーム/設備機器交換/エクステリア/不用品処分/他)を行っております。親切丁寧をモットーに、小さな修理から大規模な改修まで、住まいに関するお悩みに寄り添います。快適な暮らしを支える住環境のパートナーとして、末長くお付き合いさせていただけたらと思います。従業員一同、感謝の気持ちを胸に、日々の業務に取り組んでいます。
保有資格:1級建築施工管理技士/1級塗装技能士/リフォームスタイリスト/雨漏れ診断士