外壁塗装に使用する塗料の種類とその特徴について解説
2021年09月05日
お役立ち情報・コラム
外壁塗装で使用する塗料には、非常に多くの種類があります。どの塗料を選択するのかによっても機能性や耐久性が変わってくるため、外壁塗装工事の塗料選びは重要なポイントでしょう。
とはいうものの、外壁塗装は10年に一度のスパンしか実施しない工事になるため、「塗料については詳しくない……」「どのような塗料を選べばいいのかわからない……」という方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、外壁塗装をする際の「塗料の種類」を初心者の方にもわかりやすく解説します。ぜひ塗料選びの参考にしてみてくださいね。
塗料の基礎知識
外壁塗装用の塗料には、乾燥工程が違う「水性および溶剤」と、下地への密着性が変わる「1液型と2液型」があります。これらの違いをきちんと理解しておくことで、適切な塗料選びができます。
そこでここからは、知っておくと便利な塗料の基礎知識を解説します。
水性塗料と溶剤塗料の違い
塗料には大きく分けて「水性塗料」と「溶剤塗料」がありますが、これらの違い・特徴を簡単にまとめると以下のとおりになります。
・水性塗料:水で希釈する塗料
・溶剤塗料:溶剤(シンナー)で希釈する塗料
水性塗料は、塗料に含まれる水分が蒸発していく過程で塗膜を形成する塗料です。そのため、雨などの天候に左右されやすいデメリットはありますが、ニオイが比較的抑えられる傾向にあります。
一方で溶剤塗料は、塗料中に含まれるシンナーが揮発していく過程で塗膜を形成する塗料です。水溶性ではないため、天候に左右されづらいメリットはありますが、いわゆるシンナー臭などのニオイが強いデメリットがあります。
1液形と2液形とは?
最近の塗料で多い「1液形」とは、開封した塗料をそのまま利用できるタイプの塗料で、取扱が簡単なタイプのことを指します。それに対して「2液形」とは、塗料(主剤)と硬化剤(助剤)を規定量混ぜることで硬化促進し塗膜を形成するタイプの塗料になります。
なお基本的に、どちらのタイプを利用しても耐候性の面では変わりません。ただし、2液形は付着性に優れているため、付着力などを求められるような場所でよく利用されます。
外壁塗装に使用する塗料の種類
では次に、より具体的な外壁塗装用塗料の種類を学んでいきましょう。外壁用塗料には、主に以下の4種類に分けることができます。
・アクリル樹脂系塗料
・ウレタン樹脂系塗料
・シリコン樹脂系塗料
・フッ素樹脂系塗料
耐久性・耐候性を決めるうえで、最も重要な種類分けにもなるため、どのタイプが自分自身に合うか確認しましょう。
アクリル樹脂系塗料
アクリル樹脂系塗料とは、アクリル樹脂が主成分となる塗料のことをさします。塗料の価格が安価になるため、新築工事などでは多く利用されている塗料です。
しかし耐候性はそれほど長くないため、塗り替えのような長期間に渡って耐久性を求めたいような場合、それほど向いている塗料ではありません。
代表的なアクリル樹脂系塗料:ニッペ DANフレッシュR・ニュートップレスクリーン
ウレタン樹脂系塗料
ウレタン樹脂系塗料は、ウレタン樹脂が主成分となる塗料のことを指します。アクリル樹脂系塗料よりも耐候性に優れており価格も比較的安価なのが特徴です。
ただしアクリル塗料より性能は良いものの、後述するシリコン塗料と比べた場合に見劣りしてしまいます。上記の理由から鉄部や木部などでは未だに利用されているものの、外壁に関しては近年それほど利用されなくなってきているのが現状です。
代表的なウレタン樹脂系塗料:ニッペ ファインウレタンU100・クリーンマイルドウレタン・アレスエコレタンⅡ
シリコン樹脂系塗料
シリコン樹脂系塗料は、シリコン樹脂が主成分となる塗料のことを指します。塗料の価格も安価なうえに、耐候性も長いため、現在の建築塗料分野では主流になっている塗料です。
以前までは高級塗料の位置づけだったシリコン塗料ですが、普及するとともに価格帯も落ち着き、現在ではウレタン樹脂系塗料との価格差はありません。そのため、価格と耐久性のバランスが一番取れたコスパの高い塗料です。
代表的なシリコン樹脂系塗料:水性シリコンセラUV・水性セラミシリコン・アレスアクアシリコンACⅡ
フッ素樹脂系塗料
フッ素樹脂系塗料は、フッ素樹脂を主成分としている塗料のことを指します。他の塗料と比べて、圧倒的に耐候性に優れており、屋外の過酷な環境でも劣化スピードが遅い塗料です。
紫外線などの影響にも強いため、長期間に渡って外壁を保護してくれます。塗料自体の価格は高いものの、トータルのライフサイクルコストを下げられるのが特徴です。
代表的なフッ素樹脂系塗料:ファイン4Fセラミック・クリーンマイルドフッソ・セラMフッソ
まとめ
外壁塗装に使用する塗料は、基本的に樹脂によって耐候性が左右します。
ただし耐候性が優れていくにつれて、塗料自体の価格帯も上がっていく傾向にあるため、予算やライフプランに合わせて選択するようにしましょう。
なお「どの塗料にすればいいかわからない……」という方は、プロの提案する内容なども参考に選んでみるのがおすすめです。
住まいる工務店では、外壁塗装をはじめ様々な外装工事を承っております。
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この記事の筆者
住まいる工務店
「住まいる工務店」は、業界歴15年、住宅リフォーム工事を中心とした各種内外装リフォーム全般(塗装工事/外壁工事/屋根工事/水廻り改修/室内リフォーム/設備機器交換/エクステリア/不用品処分/他)を行っております。親切丁寧をモットーに、小さな修理から大規模な改修まで、住まいに関するお悩みに寄り添います。快適な暮らしを支える住環境のパートナーとして、末長くお付き合いさせていただけたらと思います。従業員一同、感謝の気持ちを胸に、日々の業務に取り組んでいます。
保有資格:1級建築施工管理技士/1級塗装技能士/リフォームスタイリスト/雨漏れ診断士